【人工知能と人事情報システム】その5
[ 掲載日 ]2016/06/18
[ 掲載日 ]2016/06/18
- 3)育成
- 人材の育成は、昔からOJTと呼ばれる現場育成の方法と、OffJTと呼ばれる、集合教育や通信教育などに分類されてきました。 共に大事な方法論ですが、今後はAIを使ってどんな支援ができるでしょうか。
- 社内教育の一番の問題点は、その考課測定にあると言われています。お金を時間をかけた結果、 どういう効果があったのかという経営からの質問になかなか適切な答えが返せなかったという訳です。 コストパフォーマンスの説明ができない施策は致命的です。「趣味や嗜好でやっている訳ではない、 コストをかけたならその結果、どのくらい儲かったのか報告せい」といわれるのは当然のことです。
- 結局、ひとりひとりの教育歴と成績、その後の行動変化、業績変化をトレースできれば良いのですが、人手をかけられる領域ではないし、 現場の管理職にそこまで期待はできない、システムもそこまで記録追跡できないという状況ですから、企画する方も大変です。 人事システムはPDCを回すのは不得手と行ってしまえばそれまでです。 従って育成は、PDCを回せることと、最適な計画の立案ができることが要求されます。
- ビックデータは、再三申し上げているように、社内で蓄積された情報を対象にするにはある程度の規模が必要です。 しかし社会全般の一般則なら効果的な情報を集められます。つまり、かなり特殊な領域でない限りは、ベンダーが提供するデータベースを活用することで、 効果的な提案が可能になります。問題は、PDCが回せる人事情報システムを持っているかにかかってきます。
- ある分野の人材を育成するために最適な教育カリキュラムの作成や、コンテンツの収集、またはロールモデルになるような人材の発見、 その育成仮説など、AIが行った方が良い結果を残せる領域もあります。またAI自身が教育者になるというパターンも大いにあり得る想像です。 すでにシステムとAIを使ったインターフェースができつつあり、最優秀でなくとも、ある程度の優秀なシステム教師を無限大に作ってゆくことができます。
- 更にVR(バーチャルリアリティ)技術を使えば、実環境や人間の教師がいなくとも、同じ成果を得られる教育環境も可能になるでしょう。 すでに疑似的な感情表現や受け答えができるインターフェースを経験済みの方も多いでしょう。 AI教師が、あちこちで活躍し始めています。中途パンパなインストラクターは失職してしまう時代がそこまできています。