「事大主義とヒラメ族」
[ 掲載日 ]2012/05/15
[ 掲載日 ]2012/05/15
- 新入社員も会社に慣れてくると、自分の会社の人間模様が見えてくると思います。 これから長い時間を過ごす会社では、これまでの学生生活のような気ままな人間関係を組むことは許されません。 ちょっと大げさですが、尊敬する先輩や上司もそうでない方々も、全部含めて貴方の人生の糧なのです。
- サラリーマンの処世術は様々です。 孤高を守る人、うまく上司を煽てて仕事をうまく捌く人。 学生時代とは違った光景に出くわし、どう考えたら良いのか戸惑う人も多いはずです。
- 軍隊では、将校と兵隊の差は明らかで、また階級というものがしっかりできています。 人事的には会社には大体資格等級というクラスがあるのですが、やはり眼につくのは「役職」でしょう。 係長より課長、課長より部長が偉くて、社長が会社で一番偉いのかなと漠然と思っているのではないでしょうか。
- どこの会社にも、上の人にペコペコしている割には下の人たちにキツク当たる人がいるようです。 上にしか眼が行かないこういう人々を「ヒラメ族」と昔からいうのですが、 誰にも少なからずそういう要素があるとみておいた方がよろしいようです。 それが卑屈な態度に見えるかどうか。 人間性が出るタフな場面ですが誰も好き好んでやっている訳ではないことは理解できるでしょう。
- 「ヒラメ族」は別の言葉で言えば「事大主義」でしょうか。 大国に挟まれた弱小国は、大きに付くことで生き延びて来ました。 つまり自分の生殺与奪権を持っているモノには立場が弱い、ということです。 道徳の中では、自分を見失わないように道を説いていますが、現実は厳しいのです。
- 高度成長期は、多少マネジメントがうまくなくてもダメになることが少なかったので、 若い人々に対しても慨して鷹揚で、若手も成長する機会に恵まれていました。バブルが弾けて以降、 世知辛い世の中になって、結果を求められるのは、管理職だけではなくなりました。
- どんどん厳しくなる世の中で、どうやって自分を見失わずに仕事を覚え、プロフェッショナルとして成長していくか。 かつての私の上司の人事部長が言いました。
「権力と権威はちがうものだよ。偉くなってもならなくても、『権威』を身につけていくよう、努力しなさい」と。
中国では「覇道」と「王道」と分けていますが、理解できますか?