【人工知能と人事情報システム】その3
[ 掲載日 ]2016/06/07
[ 掲載日 ]2016/06/07
- 3.人事管理個別の場面で使われるAI 人工知能がビジネスの様々な場面で使われていることが最近、メディアの記事になっています。 では人事管理ではどう考えられているのでしょう。
- 1)採用
- 最も華々しくアピールされているのが採用の世界です。 考えてみれば、人事管理でも業務として企業の外の世界と繋がっている採用では、人材供給マーケットの情報が命です。 求人募集の看板を掲げて待っていれば、良い人材がきてくれると考えている企業はもうないでしょう。 どうすれば人材マーケットにアピールできるか、良い人材を見分けるためにはどうすれば良いか、 優秀な人材を篩(ふるい)にかけるための有効なプロセスは何か、自社が採用した人材がその後活躍しているのなら、 採用時にどういう理由でその人材を選んだのか、またはその逆等々。
- 日本企業では、キーとなるポジションの要員は内部で育成していくことにプライオリティが置かれていて、 積極的に優秀な中途採用人材を活用していく素地がありませんでした。 ジェネラリストを育成して、自社のことなら隅から隅まで知っている「自社プロ」は存在していても、各業務の本当のプロ化推進は遅れていました。 セミプロみたいな人材はいても、なかなか専門家は育たない環境でした。
- しかしビジネスモデルが変化していけば、自社の環境では育成できない人材も必要となってきます。そのポジションに最適な人材はどこにいるのか。 社内か、社外か。採用担当者や人材紹介会社のコンサルタントにすべて任せられるのか。特に、新しい分野や自社に経験者のいない専門領域など、 いかに情報が溢れているこの時代でも、最適な人材を発見したり、不十分な人材仕様が書かれた募集要領に自ら応募してくる僥倖を待つのは不適切です。
- 採用に関わるAIは、「ソーシャルサイトなどのプロフィールから集めたデータを基に独自のアルゴリズムを使い、 転職しそうな人材や隠れた逸材を見つけ出すソフト」として注目を集めています。更にネットの世界では、専門領域で活動する優秀人材を見つけ出すことも、 人手ではなく「機械学習」で行っていくことが効率的です。勿論、最期は人間が関わっていく業務ですが、 最初のデータ収集の段階はAIに任せて、絞っていく方法は今後もどんどん進んでいくでしょう。
- 更に、人材を絞り込んでいくことにもAIは使われ始めています。 採用担当者も人間ですから、個人的なバイアスがかかった選択を行ったり、過去の経験ばかりに影響されたり。 こういったところにAIは使われるのです。 世間で喧伝されているような優秀人材のプロフィールをビックデータから取り込んで使うがばかりでなく、 自社の採用実績とその後の活躍状況、 高業績者となった者など、それこそPDCAのサイクルが回ってより効果的な人材選択ができる次世代のAIの登場が期待されます。